どのような診療をするのか
耳の診療はまず、耳の中を「見る」ことから始まります。外耳の脹れや発赤、耳垢がつまっていることはこれでわかります。また鼓膜の状態を観察することで急性中耳炎や滲出性中耳炎などの中耳の病気もわかります。
初期症状
このような症状が現れたら早めに、ご来院ください。
- 耳が聞こえない
- 聞こえが悪い
- 音がこもって聞こえる
- 音が響いて聞こえる
- 耳が詰まった感じがする
- 耳の痛み・かゆみなどの感覚の異常
- 目が回る
- ふらふらする
難聴
耳の聞こえが悪くなる病気は、その原因となる部位から、大きく二つに分けられます。一つは、音が内耳に届く間に失われてしまう伝音難聴で、もう一つは届いた音を内耳がうまく感じたり脳に伝えることのできない感音難聴です。
伝音難聴には、耳垢栓塞(耳垢が詰まってしまっている)、中耳炎(急性中耳炎、滲出性中耳炎、慢性中耳炎、真珠腫性中耳炎など)、耳小骨の問題(奇形、外傷、硬化症など)様々の疾患や原因が考えられます。
感音難聴を起こす原因としては、老人性難聴、メニエール病、突発性難聴、低音障害感音難聴、騒音難聴、聴神経腫瘍など、これも様々です。
鼓膜の詳しい観察(鼓膜ファイバー)、鼓膜の動きの検査(ティンパノメトリー)、聴力検査(純音聴力検査、語音聴力検査)などで詳しく診断していきます。
耳の聞こえが悪くなった方
耳の聞こえが悪くなった方はどの様な症状が考えられるか。
加齢によって耳の聞こえが悪くなることは、老化現象の一つです。そのため問題がありませんが、進行した場合、補聴器の使用が勧められます。また突然聞こえなくなったり、めまいを伴ったりする場合は突発性難聴やメニエール病の場合がありますのでなるべく早く受診して下さい。
どの様になったら耳鼻咽喉科にかかるべきか。
特に気を付けていただきたいのはある日突然、「急に」聞こえなくなった場合、突発性難聴を疑います。
この病気の場合、治療を急ぐ必要があります。一週間以内にご来院ください。
滲出性中耳炎とは?
滲出性中耳炎とは、鼻炎や副鼻腔炎、小児のアデノイド増殖症などにより、耳と鼻をつなぐ耳管という管がうまく働かなくなり、中耳の滲出液をうまく鼻に排出することができず、中耳に滲出液が溜まったままの状態をいいます。しばしば風邪や急性中耳炎の後に起こります。痛みはありませんが、滲出液のため聞こえが悪くなります。
学童期前のお子さんの場合、アデノイドが大きいことや耳管がまだ未熟のため、しばしば大変長期にわたる治療が必要になることがあります。時には治療期間が数か月から半年以上に及ぶこともあります。
治療法
・外来処置
鼻腔内の清掃
ネブライザー治療(霧状の薬液を鼻から吸入する)
耳管通気治療(鼻から耳へ空気を送る)
・投薬
鼻炎薬
抗生物質(炎症強いとき)
抗アレルギー薬
・鼓膜切開術
長期間改善ない場合など、鼓膜を麻酔後に切開し中耳の滲出液を排出します。切開した鼓膜は通常1から2週間で閉鎖し ます。
・経鼓膜換気チューブ挿入術
切開した鼓膜創にシリコン製の換気チューブを挿入します。長期にわたって改善しないときに行うことがあります。
当院で行う治療に関しても、お母さん方に丁寧にご説明をしております。また、当院では中耳炎の経過についてお母さん方もモニターで確認できるシステムを導入しております。
不安な点、またご不明な点などありましたら遠慮なくその旨お伝えください。